[ニコニコ雑記] Fender Mustang の魅力に迫る!!

こんにちは、店長の野呂です。

先日”Fender 1974 Mustang (candy Apple Red)”を入荷いたしました!

http://www.niconico-guitars.com/html/products/detail.php?product_id=8928

コンペティションラインがポップなデザインでなんとも可愛らしく、ボディコンターが入っているのでシルエットもスタイリッシュな印象です。(68年以前のムスタングにはボディコンターがありません。)

私はムスタングを現在持っておりませんので、自称Fender党としてはムスタング所持したい欲求が常にあるのですが、実際に持っていたらどんな場面で積極的に使用したいかを考えると中々難しい…。
ショート・スケールゆえのテンション緩さ、リア&フロントをワンアクションで切り替えることのできないスライド式のPUセレクター、不安定なピッチ、サステインの短さや低域の薄さなど、その操作性も音色もかなり独特で、オリジナルの状態で使いこなすのはかなり難しい気がいたします。

しかし!ムスタングはそんな弱点を補って余りある魅力を持ったギターですので、多くの人に愛されているギターです!そんな訳で今回は、実際にムスタングを(オリジナルに近い状態で)使いこなしている現役のギタリストにフォーカスしてムスタングをどのように使用しているか学び、その魅力に迫っていきたいと思います!

・Char (竹中尚人)
70年代後半に日本国内でのムスタング人気に火をつけたムスタング弾きの第一人者!当時は不人気機種だったムスタングのオーダーが日本から殺到したため、Fender社が驚いたことは有名な逸話です。現在でも日本市場にはヴィンテージのムスタングが数多くみられますが、そのことからもChar氏の影響の大きさを窺い知ることができます。
代表曲“Smoky”の「m9th」のヴォイシングはショートスケールでコードの押さえやすいムスタングじゃなきゃ思いつかなかったかもしれないと本人が語っているインタビューもあり、シェイクハンドで楽に押弦している様子を数あるライブ映像からも確認できます。そしてイントロではダイナミックなアームダウンや過激なビブラートでムスタングの良さを遺憾無く発揮しており、難しいムスタングのアーミングを自在に操る技術には見事の一言です。

・小山田圭吾 (コーネリアス)
近年のライブでは白の64年製ムスタング(ピックガードは黒に変更)をメインギターとして使用。Fender公式のインタビューより抜粋すると、Char氏のライブ映像を見たことがきっかけでムスタングが気になって手に入れたとのことです。以前はジャズマスターをメインで使用していたが、グイグイとやれるムスタングのアームは様々なアーミングユニットの中でも一番のお気に入りとのこと。ブリッジはいつからかマスタリーブリッジに変更しており、ライブでのアーミングでもチューニングは全然問題ないそうです。サステインの短い音色はギターのパーカッシブさを際立たせており、複雑な譜割りのリズムに見事にマッチしています。

・Norah Jones (ノラ・ジョーンズ)
赤いムスタング(スモールヘッド/パーロイドドットポジションマークなのでおそらく’65)を使用しています。ピアノ弾き語りのイメージが強いかもしれませんが実際にはギターを弾くことを目にする機会も多く、他に60年代前半のチェリーのSG Jr.も使用しています。低域が薄くサステインの短い乾いた音色は歌を邪魔せずバンドアンサンブルに馴染みが良いのではないでしょうか。
その他、Theresa Wayman(Warpaint)、宮﨑あおい(映画「ソラニン」)、AKB48の高橋みなみ(GIVE ME FIVE!)、Chisa (Lucie,Too)など、ギターボーカルの女性の使用が挙げられます。細いネック(ナット幅40-41mm程度)、ショートスケール、小ぶりなボディシェイプは世界的にみたら小柄な日本人には扱いやすい仕様でしょう。また、上記のいずれの方もトレモロユニットは使用せず、アームを外した状態で使っています。余談ですが、Bilinda Butcher(My Bloody Valentine)なんかはムスタングにジャズマスター/ジャガー用のフローティング・トレモロを取り付けて使用しています。

 

他にもムスタング使用者をざっと挙げてみます。

・Johnny Winter (デビュー当初に使用。ブランコテールピースを付けてノントレモロ仕様に改造)
・Thurston Moore / Sonic Youth (PUをストラト用3基にして5wayセレクターに改造)
・Kurt Cobain / Nirvana (リアをハムバッカーにしてTune-O-Maticブリッジに改造)
・David Byrne / Talking Heads (初期の頃に使用。PUセレクターを3点トグルスイッチに改造)
・Todd Rundgren / Utopia (70年代後半に使用。PUをストラト用2基にして3点トグルスイッチに改造。その他にもミニスイッチ増設)
・百々和宏 / MO’SOME TONEBENDER (ストラト用PUに交換)
・Norman Blake / Teenage Fanclub (92年頃のライブで使用。エスカッションを増設してハムバッカー2基に改造)
・Hyde / L’Arc~en~Ciel, VAMPS (ロックペグ、ディマジオ製ストラトPUへ交換。マスタートーンを撤廃してその位置にトグル式PUセレクターを設置)
・David Byrne / Talking Heads (リアPUをエスカッション付ハムバッカーに交換)
・Matthew Healy / the 1975

多くの方がPU変更により出力不足を補ったり、PUセレクターをスライド式ではないタイプのものに変更したりしています。自分に合ったカスタマイズを施して使用するのも、ムスタングというギターの楽しみ方だと思います。

ところで、ボーカルを兼任していないギタリストでムスタングを使用している人が全然思いつきませんでした。パッと思いついたのはOGRE YOU ASSHOLEのギタリストの馬渕啓くらいでしょうか。皆さんもご存知でしたら教えてください!

 

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