[ニコニコ雑記] ~BBCでのライブ名盤 後編~

こんにちは、店長の野呂です。

さて、前回、前々回に引き続き、”BBCでのライブ名盤”の紹介です。

スコットランドはグラスゴーで96年に結成されたインディー・ポップ・バンド、”Belle and Sebastian”の”The BBC Sessions”です!
日本では“ベルセバ”の愛称で親しまれていますね。

このアルバムは2枚組の構成で2008年に発売されました。
Disk1に96~01年のBBCラジオセッションで収録されたスタジオライブの内、未発表だったテイクが収められています。
そしてDisk2には、北アイルランドのベルファストでの2001年のライブの模様が収められています。
こちらはDisk1のスタジオライブとは違って観客の歓声が飛び交う賑やかな雰囲気なので、異なるライブが楽しめるアルバムとなっています。
どちらも素晴らしいですが、個人的にはバンドの熱量がより分かりやすく感じられるDisk2がよりお気に入りです。

ここで少々バンドについて。
ベル・アンド・セバスチャンは、男女混成の7~8人組(時期によってメンバーが異なる)で、現在も精力的に活動しているバンドです。
バンドはボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムに加えて、ヴァイオリン&チェロや諸々の管楽器を演奏するメンバーが揃っています。
曲によってメインボーカルが変わったり、ベースを担当する人が変わったりと、バラエティに富んだ音色や演奏が楽しめる点が面白いです。

なによりもこのバンドの素晴らしいと思うところは、曲のメロディの美しさでしょう。
非常にシンプルかつキャッチー、そして哀愁や繊細さを感じさせるような楽曲が最大の魅力だと思います。
曲の構成も繰り返しが多く、ヴァースの数も1~2個程度と少ない楽曲が多いです。
特にDisk1の”The State I Am In”、”Lazy Jane”、”Sleep the Clock Around”のような曲で魅力を感じていただけるのではないでしょうか。

また、それに加えて、”ロック魂”を持ち合わせていることもこのバンドを語る上で欠かせません。
Disk2ではそんな激情を感じさせるようなパフォーマンスも収録されています。
ロックのカバー楽曲も3曲披露されており、その曲目は以下の通り。

Here Comes the Sun / The Beatles (George Harrison)
I’m Waiting for the Man / Velvet Underground (Lou Reed)
The Boys Are Back in Town / Thin Lizzy (Phil Lynott)

どれもロック史に残る最高の楽曲ですよね。

“Here Comes the Sun”は1曲目なので、サウンドチェックから始まる”ライブならではの空気感”までもが楽しめます。
原曲に忠実な演奏も元々の楽曲の良さを引き立てていて、美しいメロディはまさにベルセバと合っていて素敵です。

”I’m Waiting for the Man”は、私がこれまで何百回とオリジナルの音源やルーリードのライブ盤で聴いてきた特に思い入れの強いナンバーなのですが、名カバーに仕上がっています。
ベルベットアンダーグラウンドの1stに収録されているオリジナルバージョンの荒廃的なかっこよさに加えて、非常に破壊的にブチあげたハイテンションなパフォーマンスが楽しめます。

ライブの終盤での”The Boys Are Back in Town”は、北アイルランドのライブで盛り上がらない訳がないでしょう。
Thin Lizzyに在籍していたことでも知られる名ギタリスト”ゲイリー・ムーア”の出身地ですからね。
もちろんツインギターで、あのハモリフレーズも聴かせてくれています。

当然、ベルセバのオリジナル楽曲も素晴らしい演奏が収録されています。
1曲目の”There’s Too Much Love”、6曲目”The Model”はベルセバの初期の中でも特に好きな楽曲ですので、是非ご存知ない方には聴いていただきたいところです。

最後に、ベルセバはアートワークに凝っていることでも知られており、デビュー当初から一貫して”単色”を基調とした”メンバーではない人物の写真”が使用されています。
これは80年代を代表するUKバンド”The Smith”の影響とも言われていますね。
よく聴くお気に入りのアルバム・ジャケットを以下に並べてみます。

お好みのジャケットはありましたでしょうか。
気になったジャケットのアルバムから聴いてみるというのも、一つの音楽の楽しみ方として楽しいです。

今回はこの辺で。

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