Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その21

前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-ポール・リード・スミスについて-その20/

トレモロに関しては、サンタナのリクエストから研究が始まっており、その後もチューニングの安定性を求めて進化し続けていました。

当時はロックタイプのフロイドローズ(Floyd Rose)やケーラー(Kahler)が定番となっていました。

これらはチューニングの安定性に関しては申し分ありませんでしたが、プレーヤーたちは弦交換やセッティングの手間にうんざりしていたこともあり、ロックタイプではないトレモロで安定性の高いPRSのナット&ブリッジは多くの支持を得ることになります。

この独自の機構を持ったトレモロユニットの開発はジョン・マンの助力によるものが大きかったようで、特許も申請されており、トレモロには”PRS・MANN P.A.F”と打刻されています。

ジョンマンについてはこちら
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-ポール・リード・スミスについて-その6/

このトレモロはブラス製となっており、ダイキャスト製法(金型に流し込む鋳造法の一つ)で全体を作ったあとに、ブリッジ上面を切削加工して製造されています。

トレモロにはスクリュータイプではなく、プッシュインタイプを採用しています。

これはポールの長いリペア経験の中で、Fenderのアームが中折れしてしまうケースを多数見てきたことによるものだそうで、
“中折れしたスクリュータイプの除去と修理が大変だったから”
とインタビューでも語っています。

ペグもEric Pritchard (エリック・プリチャード)と共に新たな構造のものの研究と開発を行いました。

弦を通して、ペグを回転させるだけで自動的にロックされていくというもので、のちに”ウィングロックチューナー”と呼ばれるものが製作されました。

1985~86年半ばまではシャーラーM6と同じギアカバーで、”Made in W Germany”とシャーラー社ロゴの”S”が入れれらていますが、その後は”PRS”の文字に置き換えられています。

またナットの通常使われるものとは違うものの開発をしました。

サンタナのために作った頃のナットは、ローラータイプのものでしたが、その後の開発&研究で、ナイロンとテフロンを組み合わせた素材のものが採用されることになりました。

ポールはこの素材を”Unobtainium”(アンオブタニウム)と好んで呼んでいるそうです。
(破壊できない金属などの架空素材の名称としてフィクションの文学や映画などに使われる造語です)

~続く~

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