[ニコニコ雑記] ギター名盤 From England ~Phaser名盤4選 その4~

こんにちは、店長の野呂です。

前回に続き、今回もアルバムを通してフェイザーサウンドが楽しめるアルバムを紹介したいと思います!!

最終回の今回紹介するアルバムは1979年12月に英国より世に出ました。

79年はイギリスで保守党サッチャーが首相に就任した年です。
翌年には名演説”You turn if you want to. The lady’s not for turning.”を残しています、
You turnとU-Turnを掛けてね、ウマい。

日本では富士スーパーシルエットシリーズが始まった年です。
サイドインテークから炎を吐き、今でもでかいと思える高出力なエンジンが搭載されながら、
シャシー剛性の低いかなりスリリングな車でレースが行われました。

元祖「日本一速い男」 星野一義選手が乗ったS110シルビアをはじめ、
多くのヒーローとスーパーマシンが生まれました。

さて、そんな過激な時代だったので、音楽シーンも過激だったのは言うまでも無いです。

そして今回紹介するのは”ロンドン・パンクロック”における金字塔アルバム、

The Clash“London Calling”です!!

オールディーズ、R&B、レゲエ、ロカビリー、スカなど、
幅広いジャンルを見事に取り入れて自分たちのサウンドを築き、
パンクロックの域に留まらない全18曲の洗練されたソングライティングが特徴のアルバムです。

しかもバンド側がレコード会社を騙すことで、
レコード2枚組アルバムにも関わらず1枚分の価格で販売されました。
これは儲けよりも自分らの音楽を聴いてくれるファンに可能な限り安く多くの楽曲を届けようとしたためで、
バンドの反体制的姿勢が表れたクラッシュらしいとても好きなエピソードです。

ベーシストのポール・シムノンがベースを叩き壊す瞬間を捉えたジャケット写真もめちゃくちゃかっこいいです。

昨年発表されたローリングストーン誌が選ぶ”オールタイム・ベストアルバム”の2020年版では、
数ある名盤達の中で16位にランクインしております。
(ローリングストーン誌が選ぶシリーズは個人的にアメリカ寄りなランキングかなとも思うのですが、そんな中でイギリスのバンドがこの評価は凄い!)

そして私が勝手に選んだ2021年版の”Phaser名盤4選”にもランクインした訳なんですが(笑)、
ギタリストのミック・ジョーンズが使用していたのはMXRPhase100と本人が語っています。

2曲目の”Brand New Cadillac”から早速フェイザー祭りが始まります。
(この曲は59年に発表されたVince Taylorのカバー、名ロックンロール・ナンバーです。)
間奏のギターソロ部分は、まごうことなきフェイザートーンですね。
バンドメンバー揃ってわりとツッコミ目の演奏が爽快感があり気持ちいいです。

3曲目の”Jimmy Jazz”では、
ギターで始まるイントロからスローテンポの粘っこいフェイザーサウンドが楽しめます。

5曲目の”Rudie Can’t Fail”でのスカ調のバッキングギターも曲中フェイザーがかかりっぱなしです。
フェイザーをかけると音もシャキッと軽くなるので、
軽快な16分のブラッシング交じりのカッティングに小気味よくハマっています。

B面では、ギターのミック・ジョーンズがリードボーカルをとる
“Lost in the Supermarket”がフェイザーの良さを堪能するにはパーフェクトなナンバーです。
フェイザーの揺らぎによって独特の浮遊感があるサウンドです。
メロディが非常にポップということもあって初めて聴いた時から大好きになった曲で、
こういうギターの音はどうやって出すんだろうとギターを弾き始めてからもしばらく疑問に思ってたので、
その頃の自分に「フェイザーを使うんだよ」って教えてあげたいです。(笑)

次の曲の”Clampdown”はこのアルバムの中では一際ハード目なロックナンバー。
こちらでもBメロの単音フレーズなどでフェイザーがかかっていますね。
「人間の尊厳を奪う高度な資本主義社会」、「排外主義的な極右政治家」、「蔓延る差別や偏見」、
そういったファシズムやレイシズムに対する強い反発や怒りが歌詞やサウンドに表現されています。
ジョー・ストラマーらしいこの歌詞はスリーマイル島の原子力発電所事故がきっかけで書かれたそうです。
後にブルース・スプリングスティーン、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、ザ・ストロークスにもカバーされています。

C&D面でも”Death or Glory””Lover’s Rock”のイントロのリードギター、
”Revolution Rock”のバッキングなどなど、
様々なシチュエーションでフェイザーを楽しむことができるアルバムとなっています!!

フェイザーってどんな風に使ったら効果的にハマるのか知りたい方、
フェイザーを使った新しいサウンドに挑戦したい方、
是非とも参考に聴いてみてください!!
(フェイザーに興味なくてもめっちゃいい曲だらけのアルバムなので聴いてください!!笑)

長々と続けてしまったフェイザー編もこれにて最後です。
お付き合いいただきありがとうございました!!

今回はこの辺で!!

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