[ニコニコ雑記] Creedence Clearwater Revival 〜伝説のロイヤルアルバートホール公演〜

こんにちは、店長の野呂です。

現在上映中の映画『クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド』を先日観てきたので、今回はそれに関連した話をいたします。

Photo: Michael Ochs Archives/Getty Images

まず、”Creedence Clearwater Revival”(=CCR)というバンドについて簡単に。
CCRは1967年から1972年の短い活動期間の間に7枚ものスタジオ・アルバムを発表し、数々のヒット曲を世に送り出したアメリカのバンドです。
TVコマーシャルのタイアップなどでも度々使用されているので、あまりよくご存知ないという方でもきっと聴いたことのある曲がいくつもあることでしょう。
ちなみに私が中学生の時の英語の教科書には、「Have You Ever Seen The Rain」が現在完了形の学習の際に題材として取り上げられていました。
ロックンロールをベースに、ロカビリー、ブルース、R&B、カントリーからの影響を感じさせる泥臭いサウンドは実にアメリカンミュージック感満載で、大好きなバンドです。

(C)2022 Concord Music Group, Inc.

今回観てきた映画は、CCRの解散50周年記念作として22年に制作されたものです。
ビートルズ解散4日後の、1970年4月14日に行われたロンドンにあるロイヤル・アルバート・ホールにて行われたライブの全てと、そこに至るまでの過程を記録した内容となっています。
当時のCCRはビートルズに次ぐ世界的なセールスを記録しており、とても勢いのあった時期でした。

監督は、ビートルズやジミ・ヘンドリックスのドキュメンタリー(『ザ・ビートルズ・アンソロジー』『Jimi Hendrix Band of Gypsies』)でグラミー賞を受賞したボブ・スミートンが務めており、50年ぶりにロンドンの金庫で発見されたオリジナルの16ミリフィルムが4Kで完全に復元されています。
(2022年9月16日からNetflixで公開されていましたが、劇場での一般公開は今回の日本が世界最初のようです!音源はNetflixでの公開に合わせて同日に発売されました。)

余談ですが、解散後の1980年に突然『The Royal Albert Hall Concert』というタイトルのライブ盤が発売されたことがありましたが、実は収録されたのが70年1月カリフォルニア、オークランド・コロシアムのライブだったことが後に判明し、タイトルを『The Concert』へ改題されたことはファンにはよく知られた珍事です。

Photo by Mike Randolph/Paul Popper/Popperfoto via Getty Images

さて、今回の映画では全12曲が披露されましたが、その白熱のステージの様子はまさしく圧巻で、メンバー間のアイコンタクトや集中して演奏している様は非常に美しく、私は終始感涙しきりでした。(写真はモノクロですが、映画はフルカラーです。)
特にフェイバリッドナンバーの「Fortunate Son」は音源より遥かに速く激しく、大画面&大音量で浴びるジョン・フォガティのシャウトには心を打たれました。
当時のバンドのポリシーでアンコールは行われなかったようですが、観客は一向に帰ろうとせず、15分にわたってスタンディング・オヴェーションが送られたという伝説も残されています。(映画を観た後ではその当時の観客の気持ちがよくわかります。)

最後にこの日のメンバーの楽器を紹介いたします。

Photo by Mike Randolph/Paul Popper/Popperfoto via Getty Images

ギター&ボーカルのジョン・フォガティのメインはRickenbacker 1964年製 325 (Fireglo)、Fホールが空いているモデルです。
ジョン・レノンのようにテールピースはB5 Bigsbyに換装されており、写真ではわかりにくいですがリアPUはフルサイズのハムバッカーに改造されています。
(もしかして有名なギターとしては世界初のSSHレイアウトなのでは?他には思いつきませんでした。)

325はわずか20-3/4インチというショートスケールとなっており、ハイポジションは狭く正確なピッチでの発音が難しく、正直リードを弾くのに適した仕様では全くありませんが、このギターでソロもガンガン弾きまくっているジョン・フォガティの姿は唯一無二で、ホロー構造をいかしたフィードバック奏法、アームを掴みながらピッキングするヴィブラートも駆使していました。
また、曲によってはレスポール・カスタムも使用していました。

映画館にて撮影

ジョンの兄でリズムギターのトム・フォガティはライブを通してGuild Starfire VI (White)を使用。
バンド全体にドライブ感を与える燻し銀なリズムを刻み続けていました。

ベースのステュ・クックは剥ぎナチュラルの1968年製プレシジョンベース(魔改造)を使用。
フロントにトースターPU(ジョンのリッケンに搭載されていたものでしょうか)、リアにプレベ用のPUを増設し、ノブの数も3つとなっています。
一体どんな回路になっているのでしょうか、インパクトのあるルックスです。
フラットワウンド弦を使用している様子が映像から確認できましたが、かなり弦高が高そうなのが印象的でした。

大画面&大音量でメンバーの表情も楽しめるライブ映画体験は、実際のライブとはまた違った良さがあります。
今週末より新しく劇場公開される、音楽フェスティバル「トロント・ロックンロール・リバイバル1969」の様子を収録した映画も楽しみです。(こちらに関してはまた後日。)

今回はこの辺で。

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