Noiselessのお話。

今回はNoiselessピックアップのお話です。

先日惜しくもこの世を去ったJeff Beck氏のシグネチャーモデルや
現行のEric Claptonモデルに搭載されており、Fender製ピックアップの定番機種の一つとなっています。

スタック化されてハムバッカーと同じ構造になることで、
シングルコイルピックアップの欠点であるハムノイズを取り除く仕組みです。

初代のVintage Noiselessモデルは1998年に発売された
American Deluxeストラトキャスターに搭載されています。

しかしこのピックアップの構造自体はFenderが元祖ではなく、
80年代にはすでにDimarzioのHSシリーズやSeymour DuncanのSTKシリーズが発売されていました。

さて、一口にNoiselessピックアップと言っても現在に至るまで数度のモデルチェンジをしており、
年代やキャラクター違いでいくつかのバリエーションが存在しています。

なので今回は初代から順を追って紹介してみようと思います。

まず第一世代は前述の”Vintage Noiseless”モデルと
より高出力な”Hot Noiseless”モデルです。

Vintage Noiselessモデルはクラプトンモデル、
Hot Noiselessモデルはジェフ・ベックモデルに搭載されています。

外観の違いはVintage Noiselessがスタッガードポールピース、
Hot Noiselessはフラットポールピースになっている点です。

この2モデルは現在も単体で購入可能となっています。

第二世代は”Samarium Cobalt Noiseless”です。

Bill Lawrence氏も開発に携わっており、2010年ごろまで生産されました。

モデル名の通りアルニコVより磁力の強い”サマリウムコバルト合金マグネット”が使用され、
ピックアップカバーには”SCN”の文字が無色で刻印されています。

第三世代は”N3 Noiseless”です。

各ポジションに異なったマグネットが採用されていて、
フロントにアルニコIII、センターにアルニコII、リアにアルニコVが使用されています。

American Deluxeの最終年である2016年まで使用されました。

ピックアップカバーにはN3の刻印があるので、外観で一番判別しやすいモデルです。

第四世代は”Gen 4 Noiseless “モデル。

2016年よりAmerican Eliteシリーズに搭載されましたが、
2019年にはAmerican Ultraにモデルチェンジされたため短命なモデルになりました。

外観の特徴は銀色のNoisless刻印と、黄色い基盤のようになった底面で、
マグネットはアルニコVです。

最後は最新モデルになる第五世代”Ultra Noiseless”。

名前の通り、American Ultraモデルに搭載されています。

SSSのストラト用”Ultra Noiseless Vintage”に加え、
HSS用には出力の高い”Ultra Noiseless Hot”もラインナップされています。

またNoiselessシリーズ初のジャズマスターとプレジションベース用も開発されました。

ノイズの少なさに加え、シングルコイルらしさを残しつつもパワー感もあり
非常に使いやすいピックアップです。

実用性を優先してFender系の楽器を選びたい方は、
ぜひNoiseless搭載の楽器も候補に入れてみてはいかがでしょうか。

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