Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その33 (木材編3)

前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-32/

PRSでは年間約250,000ボードフィート(59万リットル)もの大量の木材を国内外から購入しています。(2022年時)

前回ブログにも紹介されているマイケル・リードとポール・プラッツらによるチームに調達された各地からの木材。

ネックのためのマホガニー材においては、
“the biggest boards will have the best wood” (一番大きなボード(木の板)が最高の材である)
とポール・プラッツは語っており、可能な限り巨大なものを探すようにしているそうです。

下記図のように取ると、木目が真っ直ぐに取れるため。より外周の大きな木が良いようです。

大きさのみではなく、質も厳選することもあり、巨大なトラック2~3台に載せられた大量のマホガニーからたったの12本程度しか取れないようです。(1回の選定分につき)

さてそうして最初の選定を終えた木材たちは、各地から船でアメリカへと運ばれていきます。

運ばれてきた木材はBoltimore(ボルティモア)の港から荷上げされ、4~6週間に一回程度の頻度で港からトラックで工場まで運ばれてきます。

マホガニーの場合は、この時点で長さ約10~20フィート(3メートルから6メートル程度)の直方体の状態となっています。

各モデルに適した厚みがあるかを確認した後に、工場のジャンピングソーでさらに長さをカットしていきます。

フィギュアドメイプルの場合は、マホガニーとは違い元々の状態で各モデルに近い小さくされたサイズで入荷されています。

集められた材は、ラフ・カット・マネージャーのRob Heuerらのチームにより、木材に何か悪い部分や割れなどが無いか綿密に検査をしてつつ、木材の選定(グレーディング)をします。

トーン、ルックス、ウェイトの3点をグレーディングにおけるポイントとして注視しているそうです。

グレードごとに集積される場所が分けられており、さらにその集積場所の中でもさらに細かなグレードを決めて色分けします。(スプレーでペイント)

2000年代からの大きな事業拡大に伴い生産数が増加していますが、増加に伴い低くなりがちな”質の低下”を避けるためにクオリティコントロールを徹底しているそうです。

近年は特にそうですが、PRSでは他ブランドで使っていない材もよく使用しています。

材自体の種類については非常に柔軟で、良いものであれば使うというチャレンジ精神もPRSらしい部分となっています。

また木材加工等の技術の進歩にも合わせて、毎年のように所持している機材のアップデートや新たな器具を購入しており、非常に意欲的に最新の技術を取り込んでいます。

~続く~

Follow me!