Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その36 (生産プロセス3 ~指板~)

前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-35/

CNCルーターやレーザーでくり抜かれた大量のインレイは、プラスチックの大きな収納ボックス(細かい仕切りのついたジュエリーボックスタイプ)に種類別に分けられます。

ここからは手作業でインレイが指板に入れられていきます。

モデルやオーダーに合わせたバードインレイがスタッフにより選択され(アウトラインバードやアバロンなど)、まず最初に接着剤などは流し込んでいない状態の指板の溝に嵌めていきます。

映像で確認する限りですが、この時点でインレイはかなり隙間なくキッチリと嵌まっているように見えていました。

嵌め込みが完了したインレイに強力な接着剤を上からかけ流し(当然指板にもかなりかかっています)、その後接着剤を乾燥させるための専用の箱に最低でも12時間入れておくそうです。

12時間後、乾燥箱から出された指板には、CNCマシーンにより指板の曲面(ラディアス)を出すための加工が施されます。

指板は写真のように横向きに設置され、窪んだ大きなドリルのようなもので削っていきます。

ラディアスを作ると同時にインレイ接着時についた余分な接着剤や飛び出ていたインレイも削ります。

ラディアスに続いて同じ横向きの状態のまま、サイドポジションマークの穴も同様に小さなドリル(CNC)で空けられます。

サイドポジションマークを入れる作業はまたスタッフによる手作業となっています。

バードインレイの時とは異なり、ポジションマークの窪みに先に接着剤を流し込みます。

その穴に小さな円柱状に成形されたポジションマークの材を差し込み、ニッパーでコンコンと軽く叩き押し込んだ後、わざと指板材の表面より少し飛び出たような状態に切りとります。(残った円柱部分を次のポジションマークに入れて同様の処理をする)

少しだけ飛び出た部分は、指板には可能な限り触れないようにヤスリで削られます。

指板材は、表面部分を削られる場面が多いことからも、より厚みのある指板材を最初に選ぶことにも納得ですね。

~続く~

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