Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その49 (生産プロセス16)

前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-48/

ここからは、擦り合わせ → 水研 → バフがけ → “Turn Around”(ターン・アラウンド)という工程。

トップコートの吹き付けと乾燥が完了したあとは、”Fret Leveling”(フレットの擦り合わせ)へ。

Gibson USAなどでは、ネックとフレットの状態を計測しデータ化して調整する機械の”PLEK”を使用したりしていますが、PRSでは現在もスタッフによる手作業となっています。

まずは定規を使ってネックが完全にストレートであることを確認。

その後、フレットエッジの角を紙やすりで削っていきます。

写真に写っているアクリルで出来た道具は、ポール氏によりデザインされたものだそうです。(握りやすさなどにこだわりがあるのかもしれません)

次にフレットをペンで黒く塗り、先ほどのヤスリでフレットの表面を研磨していきます。
黒くなった表面を削ることで、フレットに高低差が無いように確認しています。

そしてフレットの高さを揃えた後は、小さなカミソリでフレットの下に入った細かな付着物の除去や指板の表面を綺麗にする作業を行います。

その後は細かい目の紙やすりでフレットの表面を磨く作業が繰り返されて、フレットの擦り合わせは完了です。

元々フレットを打ち込む精度が非常に高いので、大きく削る作業というよりは微調整の範囲にいるのではないかと思います。

次はボディ表面の凹凸をより綺麗な平面にするために”Wed Sanding”(水研)を行います。

乾燥したままの紙やすりでは容易に目詰まりが起こり、やすり表面に付着した固まったラッカーが擦れることで表面を傷つけてしまうため、水 (洗濯用洗剤や少量のシンナー等を混ぜたものを使うこともある)で濡らします。

同時に研磨時に生じる熱を抑える効果もあるそうです。

しかし手作業と言えば、研磨的な作業ばかりですね。。。それだけ機械では難しい部分ということなのでしょうか。

そしていよいよ”磨き”の最終工程となる”バフがけ”へ。

綿やフェルトで作られた”バフ”を回転させながら、表面に当てて研磨する作業となります。

PRSでは非常に相当数のバフがけ用の機械が設置されているようですね。

この後は、”Turn Around”(ターン・アラウンド)と呼ばれるチェックの工程に入ります。

~続く~

Follow me!