再現1977〜日本のロックの夜明け前〜

みなさんこんにちは、スタッフ太田尾です。

先日8月19日に日比谷野音で行われたライブ「再現1977~日本のロックの夜明け前~」を観に行って参りました!!

観に行かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ライブはタイトル通りで、1977年に日本武道館で行われた”New Wave Concert”を46年ぶりに再現するものとなっており、当時出演した「紫」、「Char」、「BOWWOW」の三組が集結いたしました。

トップバッターはChar氏で、ステージに上がってギターを構え、最初に発した一言

「前座です。」

今や日本のトップギタリストとなったChar氏の発言に会場には笑い声がドッと溢れ、そして熱いファンの呼びかけに対して

「暑苦しいよ!それでなくても暑いんだから。あー涼しい部屋で高校野球見ていたいね。」

と言いつつも、曲のカウントを始め、シンプルながらもストレートなロックを感じさせるリフが印象的な1982年リリースのアルバム”Moon Child”を代表する一曲「Apple Juice」でライブがスタートし、その後はローリング・ストーンズやクリーム等のChar氏が影響を強く受けたであろうカバー曲を織り混ぜながら、また自身の代表曲等を組み合わせた演奏はさすがの格好良さでした。

個人的にChar氏は以前に2回、ライブを観に行ったことがあるのですが、その時はカバー曲をやらなかったので、以前に観た時とはまた違ったChar氏が観れたことに感動し、そしてYouTubeの映像では何度も見たことがあるジェフ・ベックの”Jeff’s Boogie”カバーも、実際にライブでは初めて観て、最高に興奮しました。

また、昨年末の紅白に桑田佳祐氏、佐野元春氏、世良公則氏、野口五郎氏と共に出演した際に初お披露目となった”Pyramid Amp”を今回のライブでも使用しており、その独特過ぎるピラミッド形状がステージ上で異彩を放っていました。フロントパネルがライトで光るため、なおさら不思議な雰囲気でした。

そんなChar氏の後に出番が回ってきたのが山本恭司氏率いる「BOWWOW G2」。

そして山本恭司氏のトレードマークと言っても過言ではないYAMAHAのシグネイチャーモデルの噛み付くようなハイミッドが最高に気持ち良く、キリキリとしたピッキングの音も聞こえるような生々しさのあるサウンドで、「俺の音だけ聞け!」と言われているような感覚に陥るぐらいすごく前に押し出されて脳に響く最高の音でした。

また、山本恭司氏と同じく唯一のオリジナルメンバーの「斉藤光浩」氏が奏でる安定したバッキングと曲中に絡めるツインリードもギターロック好きな心を揺さぶられます。

あくまでも個人的な見解ですが、ギタリスト/ソングライターとしての山本恭司氏を堪能するバンドと言えるのかもしれない、なんて思ったりもしますが、”Silver Lightning”、そして本人たちもデビュー曲と言っている”Heart’s On Fire”は最高に格好良かったです。

最終曲前で、初期BOWWOWのベースを務めた佐野賢二氏こと「キンサン」がスペシャルゲストとしてステージに上がった瞬間からそれまでになかったピリッとした雰囲気が出て、そこからのBOWWOWは当時のギラギラとした感覚を取り戻したかのような違いを感じました。

UNSPECIFIED – JANUARY 01: Posed portrait of Japanese rock band Bow Wow with guitarist Kyoji Yamamoto (2nd left) circa 1982. (Photo by Fin Costello/Redferns)

もちろん当時を知っているわけじゃないので、初期の頃どんなライブパフォーマンスをしていたか等は想像するぐらいしかできませんが、もしその当時にバンドを知っていたら間違いなくゾッコンになっていた気がします。

そして、当日のトリを務めた沖縄のレジェンドバンド「紫」。

こういったバンドが1970年代に既に日本に存在していたと思うと、本当に1970年代を生きてみたかったという感想が心から込み上げてきます。

音の格好良さは他2アーティストとは違い、個人的に感じたのは「圧倒的海外アーティスト感」でした。

今回のライブは当時とはメンバーが違ったにせよ、当時からのリーダーでオリジナルメンバーのキーボード「ジョージ紫」氏がハモンドオルガンとレズリースピーカー2台で奏でるサウンドは紛れもなくディープパープル等で聴ける本物のロックオルガンの音そのもので、これが本当に最高に格好良かったです。

昨今はハモンドオルガンやレズリースピーカーのシュミレーターがたくさん出ており、完成度も高いと評されておりますが、やっぱり本物の音は格別です。

ドラムも1977年当時と同じ”Chibi”さんこと「宮永英一」氏で、キック、スネア、ハイハットの三点の音の太みがありつつも鋭さもある音はバンドサウンドの中でも楽器としての圧倒的存在感に痺れました。

当日は「下地”GG”行男」氏がコロナ陽性となり、代わりに「照喜名薫」氏がサポートとして演奏しておりましたが、やはり長髪にサングラスで1977年時にもメンバーとして演奏していた「比嘉清正」氏の重厚感があり太く抜けが良いギターサウンドはバッキングでもリードでもハードロックバンドのギターの在り方の正解と言っても過言ではないほどの格好良さでした。

アンコールで「紫」のメンバーと”Char”、”山本恭司”、”斉藤光弘”が登場し、3曲を演奏したのですが、その中でも一番心にグッときたのはディープ・パープル”Black Night”のカバー。

ギターに関しては全員がそれぞれの持ち味をソロで存分に発揮するところももちろん良かったのですが、個人的に最高に格好良かったのはキーボードのジョージ紫氏のオルガンサウンドで、座っていた位置がちょうどジョージ紫氏の斜め前辺りだったこともあり、Black Nightで奏でるオルガンソロのサウンドはまさに本家と同じなんじゃないかと思うほどで、本当に最高でした。

あのオルガンサウンドが生で聴けたのはラッキーだったなと思うほどです。

最後の最後は”Born To Be Wild”で、ギタリスト5人全員の個性が爆発していて、最後を締めくくるに相応しく、やっぱりギターって格好良いと再認識させられると共に、1970年代を生きてみたかったという気持ちが大きく膨らむライブでした。

今回はこの辺で。

それではまた!!

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