~Tom Murphy & Gibson Aged 1999からその後~

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かくして、1999年に発表されたギブソン初のエイジドギター“40th ANNIVERSARY 1959 LES PAUL REISSUE AGED”はかつてのリイシューモデルからルックス&スペックともに大きくバージョンアップしたものとして大変な反響を呼びました。

そしてここからトムは年間に一定数のエイジングをする契約をギブソンと交わすことになり、2005年までのほぼ全てのエイジドモデルをが仕上げていくことに。

Fenderの”Relic”モデルの初年度から数年間担当したVince Cunetto氏もそうでしたが、あくまで外注のような形を取っていたため、ギブソン工場内ではなく、イリノイ州マリオンにある彼の工房(Guitar Preservation)で作業は行われていました。(何年か後にギブソンに近いナッシュビルに引っ越したようです)

その頃はFedExやUPSの大量の荷物が日夜運び込まれ、出て行っていたようです。

想像するだけでも、大変な量の作業ですが、どうも彼はこれまでの経緯を見ても、こういう極端にも見えるような働き方が得意な人物のようにも見えてきます。

そして2000年代前半からは、アーティストのギターを再現した数々のエイジドモデルがトムの手により制作されていきます。

Dicky Betts Gold Top、Gary Rossington’59、 Bob Marley、 Duane Allman、Jimmy Page等々、様々なタイプのギターのプロジェクトが次々と舞い込みます。

どのプロジェクトをやるときにも”この傷はどうやって再現しよう?”とその都度、試行錯誤を繰り返し、新しい手法などを試みてきたとのことです。

この傷はなぜここにあって、どうやってついたのかを想像しながら(時には本人に聞きながら)エイジングを行なっていました。

2005年に製作された“Eric Clapton ES-335”でギブソンのエイジングモデルに大きな変化が訪れます。

この製作時期にトムは別のプロジェクトによって忙殺されていたため、このプロジェクトに関わることが出来ませんでした。そしてこのモデルはギブソン工場内のみで行う初の”ファクトリーエイジ”(In-House Ageing)されたものとなります。

それ後からは、ギブソンのファクトリーエイジドが通常のエイジングモデルとなり、トムマーフィーのエイジングはアップチャージのオプションとなり、オーダーによるアップチャージは$1,000以上となっていたようです(2000年代後半~2010年代前半当時)

それに合わせてマーフィーによりエイジングされたものには、証拠としてノブの周辺にウェザーチェックでイニシャルの”TM”が入れられている個体が多く見られるようになっていきます。(認定書やキャビティ内のサインなど様々なパターンがあります。)

$1,000ものアップチャージにも関わらず、オーダーが止まることがなかったのは、トムの人気を裏付けることとなりました。

Gibsonからは2008年に”Ultra Aged”モデル、2010年に“Collector’s Choice”など、次々に新しいタイプのエイジドモデルが発表されていきます。

特別なモデルが新たに製作となった時にトムがエイジングに関わってくるという感じになっていたようです。(全てのUltra AgedやCCがトムによるものではないようです)

そしてトムの名前はまさに”ブランド”のようなものになっていきました。

Murphy Paint、Murphy Aged、Murphy Mastepirce、彼の関わったギターは”Murphy”を冠したモデルとなりプレミア価格が付けられるようになります。

さらにトムは2018年に新しいエイジングの方法を開発。
もちろんその製法は極秘だそうです。
常により良い新しい製法を求めて研究を怠らないところも、長年続く人気の秘訣かもしれません。

そして現在70歳となったマーフィーは、1994年の退職から実に26年経った2020年にギブソンにフルタイムとして”再就職”し、”Murphy Lab”を立ち上げることになります。(これまでずっと外注扱いだったことも驚きですね)

余談ですが、現在でも人前でギターを弾くこともまだあるようで、”The Way Back Machine”というバンドでプレイしているようです。

カントリーのカバーバンドらしいのですが、一度聴いてみたいですね。

画像は”2020 Murphy Lab 1959 Les Paul Light Aging”

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