Paul Reed Smith ~ポール・リード・スミスについて~ その12

前回はこちら。
https://www.niconico-guitars.com/html/blog/staffblog/paul-reed-smith-ポール・リード・スミスについて-その11/

”チューニングの狂わないトレモロ”がリクエストされたサンタナのためのギターは、およそ一ヶ月をかけて製作されました。

チューニングの狂いにくさを追求して作られたこの1本には、
ローラーナット、ロックチューナー、モディファイしたStars Guitars製のブラスブリッジを装備することでチューニングの安定性を高めました。
そしてコントロールはVOLUMEノブとミニスイッチx2。
ピックアップにはSeymour Duncanのカスタムワウンドを搭載。

1980年11月に完成したサンタナのための記念すべきファーストギターはサンタナの#1として長く愛用されることになりました。(1990年代半ばに窃盗されるまで )

このギターは、後に発売されるSANATANAシグネチャーモデルの正に原型となっており、この時点ですでにヘッドシェイプ、”OM”ロッドカバー、トップのパーフリングなど現在と同様のスペックが採用されています。

ほどなくして、サンタナからの2本目のオーダーが入ります。
基本的には前回同様のリクエストでしたが、コントロールにトーンノブを追加するリクエストをもらいます。

当時サンタナは1本目のギターを
“an accident of god”(神による偶然の産物)
と呼んでおり、”二度と同じものは作れないと思っていた”とポールに伝えていたそうです。

そうして迎えた2本目でしたが、サンタナはこのギターも同様に
“an accident of god”(神による偶然の産物)
であると称したそうです。(ポールはそれを笑って聞いていたとのこと)

その後、さらに3本目と4本目(ダブルネック)が製作され、ついにサンタナは
“well, I guess it’s not an accident of god”(神による偶然の産物ではないようだ)
とようやくポールの腕を認めることになりました。

こうして4本のギターがサンタナに所有されることになり、その中の#1は特に重宝されたようで、1990年代半ばまでは相当な頻度でライブやレコーディングで使用されました。

~続く~

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