2020年5月31日 / 最終更新日 : 2020年5月31日 toshiakikasuya REGULAR 153『新しい日常/六人組』 突然、暇になった。 何もかもが宙に浮き、 まるで時間が止まったかのようである。 季節変わりの天気を眺めながら、 はるか昔に想いを馳せてみる。 あの頃も、突然に変わってしまったのだ。 会社員と音楽マネージメントとの 馴れない二足のわらじを履いて、 早回しのハムスターように くるくると廻っていた日常が、 >> Read more
2020年5月2日 / 最終更新日 : 2020年5月2日 toshiakikasuya REGULAR 152『ゲームチェンジャーGame changer』 『山口冨士夫とよもヤバ話』 を書き始めて5年目の春がきた。 エミリが冨士夫としのぶを引き連れて 我が家を訪れてから、 実に40年近い年月が経つのだ。 その頃とたった今とを比べると、 僕らはとっても良い時代に 若い時期を過ごしていた気がする。 当時は未来への選択肢が 幾つもあったからだ。 とりわけ怠け >> Read more
2020年4月12日 / 最終更新日 : 2020年4月12日 toshiakikasuya REGULAR 151『池におちる夢』 池におちる夢をみた。 公園で釣りをしていたら、 誤っておちたのだった。 夢の中の水は、 生命力や健康、 感情の象徴であるという。 水がたまった池の状態は、 自分自身の心理状態を 反映しているのだというのだ。 だから、少しビックリした。 真夜中にドキドキとしたのである。 子供のころは、 ひとりでいるこ >> Read more
2020年3月26日 / 最終更新日 : 2020年3月26日 toshiakikasuya REGULAR 150『遥かなるメコン川』 20年以上前になるだろうか、 メコン川に行ったことがある。 ご存知だとは思うが、 メコン川とは、 チベット高原に源流を発し、 中国の雲南省を通り、 ミャンマー・ラオス国境、 タイ・カンボジア・ベトナムを およそ4200キロに渡り流れ、 南シナ海に抜けていく 国際河川のことだ。 アジア人であれば、 人 >> Read more
2020年2月23日 / 最終更新日 : 2020年2月23日 toshiakikasuya REGULAR 149『人生の車窓/マーチン』 新宿からロマンスカーに乗った。 なんてったって憧れの 小田急ロマンスカーである。 何回目のロマンスカーだろうか? なんて、思い出そうとしても 何も浮かんでこない。 もしかするとお初になるのか? そう気がついて 嬉々としているところに 車内販売の姉さんが来た。 「カフィ プリーズ」 とは言わなかったが >> Read more
2020年1月30日 / 最終更新日 : 2020年1月30日 toshiakikasuya REGULAR 148『立川通り』 立川駅を背にして、 山影に向かう真っ直ぐな 立川通りを行くと、 Kさんが住むマンションが見えてくる。 「マンションのトイ面に新たな事務所を立ち上げたから、看板のデザインをしてほしい」 と言われ、 年も明けた晴天の日中に ホイホイと出向いたのだった。 そのKさんとは30年来の仲である。 僕よりも10歳 >> Read more
2019年12月18日 / 最終更新日 : 2019年12月18日 toshiakikasuya REGULAR 147『山口冨士夫 伝説のクロコダイルライブ その1』 冬になってきた。 と思ったら、 すっかりと完全に冬である。 紅葉などを眺める間もなく、 冷たい北風がほほをなでてくる。 こんな時は暖かい部屋で 音楽でもを流しながら、 本を読みたい気分なのだが、 ついついタブレットで ネットの世界を眺めてしまう。 すると次から次へと飛んでくる メールやらの情報につら >> Read more
2019年10月26日 / 最終更新日 : 2019年10月26日 toshiakikasuya REGULAR 146『伊藤 耕の手紙』 コウの手紙を読むために、 少し早くアースダムに出向いた。 まだリハーサル中の Barスペースには、 見慣れた顔がゾロゾロいて ちょっとした同窓会気分になる。 その中にいた安井を見つけて 声をかけると、 すぐにコウの奥さんを 紹介してくれたのだった。 彼女(満寿子さん)とは 実に初対面であった。 これ >> Read more
2019年10月6日 / 最終更新日 : 2019年10月6日 toshiakikasuya REGULAR 145『KEEP ON ROCK & DANCE 耕もね』伊藤耕2DAYS “なんで俺がわざわざ、奴らのツケを払いに行かなきゃなんねぇんだ” なんて独り言をいったかどうかは 覚えてないけれど、 少しばかり不条理な気分で 竹下通りを歩いていた。 「トシ!溜まっている飲み代を払ってくれないか」 WCのオーナー・石黒から、 悲痛なる連絡を受けて、 店に出向いているのである。 でも >> Read more
2019年9月9日 / 最終更新日 : 2019年9月9日 toshiakikasuya REGULAR 144『夏の終わりの音/中島らもさん』 蝉の鳴き声が鈴虫に変わると、 なんだか寂しい気持ちになる。 いつの間にか日暮れが早まって、 妙にしんみりとするのだ。 今年もまた夏が終わるんだな、 なんて思いながら 棚周りの片づけをしていたら 古いCDRが出てきた。 『 中島らも/山口冨士夫/石田長生/渋谷クラブ・クアトロLive』 とある。 20 >> Read more
2019年8月20日 / 最終更新日 : 2019年8月20日 toshiakikasuya REGULAR 143『お盆の七回忌』 家を出る時は曇り空だったので、 傘を持って出たくなかった。 「途中で降られるよ、台風なんだからさ」 と家の人に言われたのだが、 なんだか“うるせぇや!”と思って、 バタン!っと、外に出たのだ。 別に怒っているわけではない。 面倒だったのである。 いや、興奮していたのかも知れない。 ステージに上がるわ >> Read more
2019年8月10日 / 最終更新日 : 2019年8月10日 toshiakikasuya REGULAR 142『誕生日/古希祝い』 今日は冨士夫の誕生日である。 生きていれば70歳だから、 古希祝いという事になるのだ。 そもそも古希とは 長寿を祝う風習で、 中国から伝わってきているのだとか。 それは1,000年以上も前、 唐の時代が発祥の 風習だといういから、 そりゃあ、えらく古いもんなのだ。 色でいうなら『紫』。 還暦が赤なら >> Read more
2019年8月7日 / 最終更新日 : 2019年8月7日 toshiakikasuya REGULAR 141『クレイジーサマーナイト』 真夏の夜の動物園/ダイナマイツ ほんとうに暑い。 クソ暑くて死にそうである。 中央線の乗客もみんな、 へたりきった犬のような 表情をしているではないか。 なんちゃって、そう見えるのだ。 そう想いながら つり革に揺られていると、 夕暮れの高円寺駅に着いた。 南口を出て、 “この道はいつか来た道” なぁんて気分で、 かつてスタジオがあ >> Read more
2019年7月29日 / 最終更新日 : 2019年7月29日 toshiakikasuya REGULAR 140『テネシーワルツ』 ガンさん/ 村上元一氏・通夜 まるで夢でもみているかのように、 昔を思い出すことがある。 あの頃の僕は、 どこかふぬけていて、 焦点が定まらないまま 生きていた気がする。 公園の淵にある ベンチに腰掛けながら、 日が暮れかかった 池の景色を眺めていた。 ぼおっと水面に映る灯りが、 遠い光から揺れ始める。 すると忘れていた 何かが >> Read more
2019年7月11日 / 最終更新日 : 2019年7月11日 toshiakikasuya REGULAR 139『山口冨士夫を偲ぶ6年目の夏』 夏が来る前には、 必ず梅雨のトンネルを通る。 見上げると、 雨に濡れた緑葉の傘が重なって、 まばゆいはずの夏の景色を おおい隠しているかのようだ。 そんな小雨降る公園脇の坂道を、 自転車でゆっくりと 下っているときだった。 いきなり曲のセットリストが ラインで飛んで来たのだ。 “お久しぶり、吉田です >> Read more
2019年6月16日 / 最終更新日 : 2019年6月16日 toshiakikasuya REGULAR 138『人生の不思議な糸』もうひとつの村八分5/村瀬シゲト ´73年5月の『村八分ライブ』の後、 8月の終わりをもってバンドは解散した。 メンバーそれぞれに ギャランティーが渡され、 冨士夫以外の全員は 嬉々として渡米したのであるが、 まあ、そこら辺の海外話は またそのうちに。 ………………………………………… 「『村八分』が終わってどうしようか?っていう時 >> Read more
2019年5月24日 / 最終更新日 : 2019年5月24日 toshiakikasuya REGULAR 137『三田祭』もうひとつの村八分4/村瀬シゲト “ガシャン!” というガラス瓶の割れる音と共に 投げ込まれた火炎瓶が爆発した。 どこのセクトかも解らぬ過激派が、 散発的な主張を続けていたのである。 間抜けなのは、 そこらの日常的な火炎瓶など “へ”とも思わない学生たちが、 燃え盛る炎に向かって いっせいに集まって来て 暖まっていることだった。 そ >> Read more
2019年5月9日 / 最終更新日 : 2019年5月9日 toshiakikasuya REGULAR 136『チャー坊とテッちゃん』もうひとつの村八分3/村瀬シゲト 『村八分』は、 “メンバーにスキルがあるとか、 何かのエキスパートだとか、 そういう何もかもを 要求しないバンドだった” という。 「その代わり、“オモロい奴だ” とかいうのが必要になってくるんや(笑)。それと、チャー坊が唯一シゲトくんだけには弱いバンドだったな」 そう言って、 よっちゃん(加藤義明 >> Read more
2019年4月21日 / 最終更新日 : 2019年4月21日 toshiakikasuya REGULAR 135『村八分にはいる』もうひとつの村八分2/村瀬シゲト 1970年の日本は高景気に沸いていた。 良い社会を創ろうと、 前向きにスクラムを組んだ 革命運動時代はあえなく頓挫し、 高度経済成長によって “みんなが中産階級なんだよ” というマヤカしに、 国民全体が流されて行く。 不条理な日米安保への抵抗も ついにかなわなかった。 学生運動の終焉からの 内ゲバを >> Read more
2019年4月10日 / 最終更新日 : 2019年4月10日 toshiakikasuya REGULAR 134『チャー坊と出会った日 』もうひとつの村八分1/村瀬シゲト 「サンフランシスコに 日本町ってのがあるんだけど、 ある日、そこのスーパーに行ったらさ、 シャーロックホームズが 着ているようなマントを着込んで、 尺八を持っている ヘンな奴がいるんだよ。 しかも裸足なんだ。 それだけで、すごいだろ!?(笑)。 そいつがコッチ向いて、 “ニター”って笑うわけだ。 そ >> Read more